2012年3月2日金曜日

熱損失の熱利得を計算する方法

ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ基礎編 - 雑音指数


     ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ基礎編 - 雑音指数               (作成:2003年11月)      地デジTopへ戻る
              (更新:2005年03月)

雑音指数の定義

増幅器では、信号が増幅されるとともに、信号以上の増幅度で雑音が増幅されま
す。この度合いを示すのが雑音指数です。雑音指数NFは、下の1番目のとおり
入出力S/N比の悪化の割合で定義され、1以上となります。
また、入力S/出力Sは回路の増幅率Gの逆数であり、入力雑音は熱雑音(kTB)
となるので、2番目のような式に書き換えられます。熱雑音とは、電子運動によっ
て生まれる温度に比例した雑音であり、帯域Bで区切られた周波数帯域の雑音電
力の総和を示しています。

       入力S/N
   NF= ────── = 入力S/出力S ・ 出力N/入力N
       出力S/N

           出力N
     = 1/G・────        k :ボルツマン定数(1.38E-23)
           kTB         T:絶対温度[K]
                      B:帯域幅[Hz]

縦続接続


どのように食品の有効期限をデコードするのですか?

上記は、受信器全体の雑音指数ですが、受信器までにブースタやケーブル、分配
器などが、縦続接続されて構成されています。また、受信器内部でも様々なデバ
イスが接続されています。ここで、各段の雑音指数を考えることで、全体の雑音
指数を計算する必要が出てきます。
上式の出力雑音(出力N)は、下記のように展開できます。第1項目のkTBGは
熱雑音が、そのまま利得で乗算されたノイズ成分です。これに第2項目の雑音指
数による余分な雑音(NF−1)kTBGが増幅器の内部で追加されたことを意味し
ています。

   出力N = NFkTBG = kTBG + (NF−1)kTBG

雑音指数が無い(NF=1)場合(非現実):

        熱雑音kTB  →[増幅×G]→  kTBG

雑音指数の存在(現実):

                         kTBG
        熱雑音kTB  →[増幅×G]→   +
                        (NF−1)kTBG
                 ↑追加

              (NF−1)kTB

この(NF−1)kTBが縦続接続される度に加算されてゆくことから、回路のn段
目の出力雑音電力出力N(n)は、

     出力N(n) = 出力N(n-1)XG(n)+(NF(n)−1)kTBXG(n)


なぜ英国は、最初に工業化した

となります。この式によって、各段の雑音指数Fnが分かれば、各段での雑音出力
電力を求めることが出来ます。さらに、最終段での雑音出力電力を、雑音指数の
定義式に代入することで、以下のように受信機全体の「総雑音指数」を求めるこ
とが出来ます。

  総雑音指数NFt = 1/(G1G2G3…) × 出力N/kTB

  = NF1 + (NF2-1)/G1 + (NF3-1)/G1G2 + (NF4-1)/G1G2G3 + …

ダウンロード用PDF

ブラウザや端末によっては、本ページに掲載している数式が正しく見えない場合
があります。その場合は、下記のPDFをダウンロードしてください。

   ダウンロード:無断複製の禁止および配布の禁止に同意します。

総雑音指数の数式的な意味


我々は化石燃料を使い果たしたときに何が起こるかWLL

雑音指数の意味は、どんなに入力された品質(SN比)が良くても、雑音指数が高
ければ受信器の品質(SN比)が悪くなるということです。
受信感度を良くしたい場合、上記の総雑音指数の式を見ると、一段目のF1は、
総雑音指数にそのまま加算されますが、F2では一段目の利得で除算されており
総雑音指数への影響が小さくなっていることが分かります。例えば、アンプの利
得が10倍であれば、NF2の影響度は10分の1未満ということになります。
さらに、NF3、NF4と、後段に行くにつれて、影響が、とても、小さくなってゆき
ます。したがって、チューナの性能は、フロントエンドエンドと呼ばれる1番目
の増幅器で、大部分が決まってしまいます。

総雑音指数の物理的な意味


チューナーに30dBのブースターを接続した場合、ブースターが1段目となるため、
全体の総雑音指数はブースターの性能が1000倍以上の寄与をします。つまり、
チューナの性能がブースターの何百倍も悪くない限り、受信性能≒ブースタ性能
となってしまいます。
ただし、アンテナ〜ブースタ間に損失や他のブースタがあれば、こちらが、1段
目となります。したがって、アンテナ〜ブースタ間のケーブル損失が10dBであれ
ば、受信器全体の10倍以上を、ケーブル損失による劣化で占めてしまいます。し
たがって、ブースタは、1mでもアンテナに近づける必要があるのです。ブースタ
に関しては、こちらもご覧ください。

損失の場合の雑音指数

挿入されているのがアンプではなく、ケーブルや分配器、フィルタの場合、増幅
しないから雑音指数は存在しないと思いがちですが、これらも雑音指数を大きく
悪化させてしまいます。というのも、増幅はしませんが、電力を損失させてしま
うためです。これは、熱雑音が電子の自由運動によって発生していることから、
損失(抵抗)があれば、行き場を無くした電子が増加し、それに比例して雑音指数
が悪化するためです。この場合は、雑音指数=損失、利得は損失の逆数となりま
す。

   損失の場合の雑音指数:


      NF=損失   G=1/損失 (但し、G[dB]=−損失[dB])

関連ページ

  導入編 - アンテナ部品の基礎 分配器 分波器 ブースター 混合器
  対策編 - ブースターの効果  ブースタ直結 分配 一戸建 共同受信
  設計編 - 自作ブースター   自作ラインブースターの製作方法

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