それは自分でfishtankん。
『Fish Tank/フィッシュタンク』 アンドレア・アーノルド監督 その2 ぷらねた 〜未公開映画を観るブログ〜/ウェブリブログ
管理人イチ押し作品『Fish Tank』(『フィッシュタンク〜ミア、15歳の物語』)について、ロッテン・トマトによるアンドレア・アーノルド監督インタビューをお届け。ネタバレ嫌いを自認するアーノルド監督が、安心して読める受け答えをしています(笑)ぜひご一読を(・∀・なお、本作の「その1(紹介・感想編)」はこちら、
インタビュー原文はこちらから。
※一つだけネタバレと考えられる質問があったので、1番下に持ってきています。
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――それでは、まずタイトルの意味を教えてください。
そうですね、タイトルについて説明することから始めようとしたんですが、それはいいことではないかもしれません。このタイトルはいろいろなことを意味しうるし、観客の方に考えてもらう方がよいと思います。もし私がこのタイトルについて考えていることを言ってしまえば、それはタイトルの意味を限定してしまうでしょう。それは、なぜ本作が『フィッシュタンク(=Fish Tank=水槽)』と名付けられたのかを考える楽しさを奪うことになりますから。考えてみてもらう方がいいでしょう。ときには、私が念には念をいれて説明しても、その楽しみを奪ってしまうことがあります。いずれにしてもインターネット上にありますよ!
――どのようにして『フィッシュタンク』のアイディアを思いついたのですか。
私はいつもイメージから始めます。それがどんなものかは言いません!いえ、繰り返しになりますが、それは映画の話を明かすことになってしまいますから。たとえインターネット上に、映画の中で何が起きるのかを正確に書かれて、なんの謎も残されていないとしても、私は何が起きるかは内緒にしようと思います。というのは個人的に、観る映画について多くを知らないまま鑑賞することが大好きだからです。そうすることで、映画を観るとき、花のように映画が始まるのです。私は意図的に、映画を観る前に、その映画についてなにか読むということを決してしません。
――ケイティ・ジャーヴィスは、彼女が得ている賞賛をどう考えているのでしょう。
彼女は、自分がどれだけ評判になっているのか分かっていません。彼女の耳は真っ赤になっているに違いないわね!カンヌにいるときに、私は彼女に電話してこう言いました。「ケイティ、インターネットを手に入れて!インターネット!」彼女がいたところにはコンピューターがなかったんです。それでこうも言いました、「どこかに行って、インターネットを見るのよ!」って。
――彼女を偶然見つけたというのは本当ですか。
はい、彼女はボーイフレンドと口ゲンカしていました。彼がプラットフォームにいて、彼女は反対側のプラットフォームにいました。ケイティは彼に怒鳴りつけていたの。私はそこにいなかったのですが、本当に素敵なキャスティング・アシスタントのルーシーが、そこにいたんです。彼女はケイティに近づきましたが、彼女はそれが映画のスカウトだと信じなかったそうです。彼女にはルーシーが、ものすごく不審な人に思えんですって!それに、不審になるのは当然ね!私もそうなったでしょう。それでも彼女は、私たちがティルブリーで見つけた何人かの女の子たちと開いていた小さなオーディションに来てくれました。私たちは少しだけ、彼女に即興で演技をしてもらいました。彼女はただ、完全に自分自身のままでいることが� ��きました。彼女の家族は映画の中のミアの家族とは違いますが、(ケイティは)ミアよりも個性的で、エネルギーに満ちていて、怒りを持っていました。彼女は怒るという能力を持っていました。それは、役に適していることでした。
――ケイティが粗野なシーンに対処できることに、どのようにして気付いたのでしょうか。
分かりません、私は彼女がそのような演技ができるかどうか本当に分からなかったので、大きなリスクを伴うことでした。彼女は明らかに、少しのアドリブをしたときには、自分自身のままでした。しかし、私たちには脚本がありました。毎日、一定量のなすべきことがあったのです。語るべきストーリー、カメラ、サウンド。彼女が短い期間で学ぶべきことがありました。私は彼女がそれをできるか分かりませんでした。しかし、私は挑戦してみることや、上手くいくかどうか分からないことの方が好きなのです。それは大きなリスクでしたが、私は、うーん、きっと悪いことは起こらないだろうと思っていました・・・。
――監督がティーン・エイジャーだった頃、ケイティが演じたミアと似ているところはありましたか。
なかったと思います・・・私も住宅団地で育ちましたが。もちろん、私にもティーン・エイジャーだった頃はありますよ!でも、ミアのようだったことはありません。私は周囲の子どもたちをたくさん見てきましたし、ティーンエイジャーがどのようなものかは知っています。ただ、私は他のこともミアに投影していると思います。それは彼女を、私が知っていることから少し違った人間にするためです。そういうわけで、一部は創作で、一部は私が知っていることからミアを描写したといえるでしょう。
――どのようにして、すべてのセリフをここまで現実的なものにできたのでしょう。
ただ、そこに住んでいる人々の会話から拾ってきただけです。彼らは、自分たちが話す仕方で話します。ケイティはこの地域の出身だったので、セリフを自分の言葉に言い換えました。私たちは、ミヒャエルのアイリッシュ・アクセントをそのままにしました、彼はいずれにしろちょっとしたよそ者だからです。キルストン・ウェアリングも実際その地域の生まれですし、レベッカ・グリフィスもこの道の先に住んでいます。
――観客によってはスラングを理解できないだろうとは思いますか。
フランス語への翻訳は非常に興味深いものでした。というのは、私たちはただ英語を翻訳するだけでなく、エセックスの英語も翻訳したからです。たとえば、ある子どもが、"Oh, her mum's butters."と言います。Buttersは、Butt-uglyを示すスラングで、Butt-uglyは非常に醜いということを意味します。これをフランス語に翻訳しようとすることは・・・もとの言語がもつ豊かな色彩を保つようにすることは、とても面白いことでした!
※この下にある質問は、物語後半の内容に言及しています。
そのため、作品鑑賞後に読むことをおすすめします。
鑑賞した方、ネタバレを気にしないという方は、自己責任で閲覧してくださいm(_ _ )m
(ケイティ・ジャーヴィスの演技についての質問の流れで)
――では、セックス・シーンについてはどうだったのですか。
そうね、彼女は17歳だから・・・私は彼女の両親と話して本当にするわけではないことを理解してもらいました。それでも、そう見せかけるためには、できるだけリアルに見えるようにする必要が明らかにあります。しかし、こうしたことをするのが、しばしば一番愉快であったりもします。彼女は緊張していたと思います。でも、誰でもそういうシーンをする前には緊張するものですから、驚くことはありません。私たちは、そのシーンを大げさにすることなく、単なる一つのシーンとして捉えていました。
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